エラノスはユング心理学の知的・文化的歴史において特別な位置を占めてきた。1933年にはじまったこの会議は、スイス南部のアスコナで毎年8月に8日間をかけて開かれ、1988年まで続いた。人文科学、自然科学の碩学たちが招かれ、ジョセフ・キャンベル、ミルチャ・エリアーデ、カール・ケレニィ、分析家としてはフォン・フランツ、ジェイムズ・ヒルマン、ヴォルフガング・ギーゲリッヒ、日本からは鈴木大拙、井筒俊彦、河合隼雄などが発表している。
この講演では、希少な写真を上映しつつエラノスの歴史をユング心理学との関連でふり返り、エラノスという貴重な文化現象を伝えて、またエラノスで5回の講演を行った河合隼雄にもふれたい。
ポール・クーグラー博士は、チューリッヒで訓練を受け、バッファロー(ニューヨーク)で開業している。
国際分析心理学会の前事務局長を務めた。ヒルマンの影響を強く受け、著書に"Supervision: Jungian Perspectives on Clinical Supervision", "The Alchemy of Discourse: Image, Sound and Psyche"などがある。写真家でもある
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